火曜日の夜、「坂本龍一 Last Days」というドキュメンタリーをNHKプラスで見はじめた。
ところが、番組冒頭、いきなりの酸素マスクの映像、そして肝臓に転移した話である。
五ヶ月前の検査ではなかったのに結構大きな腫瘍が肝臓にあったそうだ。
うーん、経過観察中の私にはその話、ちょっとずしっとくる。
その後、抗がん剤を選んで5年生き延びるか否かの話があり、そしてせん妄の話となる。
そのあたりで、夜、一人で番組を見続けることができなくなって、その日はそこでみるのを断念した。
次の日、オットが夜いたので、あらためて最初から観た。
一緒に観る人がいるだけで、結構、平穏な気持ちでみることができた。
せん妄は私も経験している。
手術のあと、夜中にどーんどーん!とまるで真横で土木工事をしているのかと思うような音がずっとしていた。
でも、真夜中にそんな工事や音が実際にはしているわけはなく、まったくの幻聴なんだけれども、その音が気になって寝られない。
(思わず次の日の朝、看護師さんに「昨日の夜中、河原町通で工事してました?」なんて聞いてしまった、^-^;)
だから入院中、またあの音が聞こえてきたらどうしようと思うと、夜になるのがこわかった。なので、少しでも寝られるようにと睡眠導入剤を処方してもらっていた。
(それでも寝られなかったけれど、-_-;)
術後、放射線治療のあとの抗がん剤治療は標準治療ではなく、オプションだと言われていた。治療を受けるかどうしようかと散々かんがえたあげく、先生の「とりあえずはじめてみて、つらかったら辞めてもいいし」という言葉ではじめることにした。
(術前の半年間の抗がん剤治療がほんとにしんどかったので、術後直後はゼローダは飲まないつもりでいた。)
最初は1日12錠飲んでいたけれど、ちょっとずつ減薬して、最終的には1日6錠まで減らしてもらった。それでも続けられたのは、点滴の抗がん剤ほどきつくはなかったのもある。何より、仕事をほぼ休まずに過ごせたので助かった。
でも、減薬したので、再発リスクはちょっとあがったかもしれないなとは思っている。
教授は、亡くなる前はモルヒネを処方されていたそうだ。
あー、やっぱり最後は痛いんやろうなぁって思った。
今夜は、その前の金曜日に再放送された「芸術は長く、人生は短し」のほうを見た。
こちらは今までの音楽活動のドキュメンタリーだったので、一人で見ていても、つらくなることもなく、じっくりとみることができた。
戦メリはボウイが好きだったから、劇場に観にいったなぁとか、八重の桜の音楽は坂本龍一だったんだ!とか、etc.
あと、やっぱり戦メリ、自分でピアノで弾けたらいいだろうな…とか。
というわけで、今、Amazon Musicで戦メリを聴いている。
教授は入院中、ずっと雨の音を聞いていたそうだ。
私はいったい何の音を聞くのだろうか。
前の入院中はずっとテレビをつけているか、AmazonPrimeで映画を見ていた。
ふだんはテレビ全然見ないのにね。
あ、これ、雨の情景が似合う音楽だ。
雨音を聴いていたなかで生まれた曲なのかもしれない。