8月16日は五山送り火だ。
今年は三年ぶりに全面点火である。
昼間は晴れていたけれど、
夕方からなんだかあやしい天気になってきた。
午後7時ごろから雷鳴と共に
激しい雨が降り出した。
かなりのゲリラ豪雨。
雷もビカビカ光ってるし、
音はお腹にビンビンと響く。
これは絶対どこかに落ちたと思う。
点火の準備している人たちは
大丈夫なんだろうかと心配になる。
7時半過ぎになると、
ようやく雨の音がおさまってきた。
どうやら先程の雨で点火が遅れるとのこと。
出歩けないので、今年はKBS京都で
五山送り火を見送ることにする。
午後8時10分、
10分遅れで大の字に火がついた。
我が家のベランダからは
大の字の一部が見える。
一部しか見えなくてもやはり、
テレビで見るのとは全然違う。
実際に火がついているのを直に見ると、
厳かな気持ちになるのだった。
以前、北海道からの帰りの飛行機が
ちょうどこの日だったことがある。
飛行機の窓から、
暗い山の中に大の字が燃えているのが見えた。
それはとても忘れられないひとコマで、
ご先祖さまたちは、
この火に見送られながら
浄土へとのぼられたのだろうと
そう感じられる風景だった。
(追記)
さきほど、ムスメと話をしていたら、
やっぱり彼女もこの時の送り火が
とても印象に残っているらしい。
まだ確か中学生だったと思う。
空の上から眺める送り火に、
魂はこうして見送られるって感じたようだった。
送り火が終わると、
なんとなく夏が終わった気がする。
そういえば、
お昼間には
ツクツクボウシが鳴いていた。